臨床心理士 佐々木智城

sasaki現代は、スマートフォンやタブレット端末が普及し、洪水のように情報が溢れ返っています。その情報の中には真実を語る情報もあるでしょうが、多くは曖昧で真偽が定かではない情報です。娯楽や商品などの人の欲求を高める情報や、不安や空虚感などの気持ちの隙間に入りこもうとする情報など人の心を動揺させる情報が蔓延しています。このような情報過多の状況は大人でも平常を保つことは難しく、発達途上の子どもでは尚更影響が大きくなります。

大きな変化がない限り、今後もこの情報過多の状況は続くと考えられます。情報が溢れているにも関わらず、先の見えない社会で私たちが将来を担う子どもたちにできるとしたら、曖昧で真偽の不明な情報の中から真実を見つけ出す能力を高め、揺れない心とブレない信念をもつことを手助けすることだと思います。子どもたちの潜在的な能力に期待して、その種を蒔くことだけでも子どもたちと共にいる意味があります。

そのために、まず子どもたちが一息つける安心できる場所が必要です。場所は空間でもありますが、大切なのはそこにいる人々がつくる雰囲気です。受け入れられる雰囲気のある場所は、誰でも安心できます。受け入れる雰囲気を持つ人々が集まれば、自然に受け入れる雰囲気が醸し出されます。そのためには、子どもの置かれた状況を社会、家庭、学校、地域などを重層的に俯瞰しながらも、子どもの視点からの心境も推し量る視点が必要です。この視点を大切にして子どもたちに接していくことを大切にしています。

そのためには、子どもの成長を最も望んでおられるご家族との協力関係を最重要と考えています。子どもの心の中で多くを占める、親御さんの心の在りようは、お子さんの心の在りように直接影響しますので、一緒に話し合いながらお子さんに対応できればと考えています。